バス通学しています

バス通学しています(No.11)

大学まではバスで通います。シアトル市内はなんてったって縦横無尽に走るバス路線が便利です。車を買う余裕がない私はどこに行くにもバスを使います。UW のハスキーカードがあればどこでどう乗ろうと降りようと全てフリーパス。自宅近くには東西に二つの異なるバス停が徒歩 3 分圏内にあり、どちらのバス停からでも大学まで 15 分足らず。しかも大学のキャンパス内もバスが走っており、帰りのバス停はフォスタースクールの真ん前。というわけで普段のバス通学にはとてもナイスな環境です。

シアトルの街は碁盤の目のようにきれいに道路が交差しており、通りの名前で住所を認識します。私が乗るバス停の一つは「North East, Roosevelt Way & 80th Street」で、降りるバス停は「North East, University Way & 41st Street, University of Washington」といったように、京都の「四条烏丸西入ル」的なシステムになっています。バス停が近づくと社内アナウンスが流れ、この「ねくすとすとぉーっぷ!North East University Way & 41st Street」のあとの「ゆにヴぁーすぃりぃーおぶ、うぁっしんとーんっ」の強い発音が私にとってなんとなく「来るカンジ」のポイントです。ただ最初の頃「North East」がしばらくずっと

「のーびー」に聞こえて何のことだろうと思っていた私のリスニング力はかなりの問題と言えましょう。

バスのドライバーが感じいいのもシアトルの特徴です。前方ドアから乗車するのですが、必ずニッコリ笑って「Hello !」なり「Hi !」なりの挨拶を忘れません。しかも乗客も降りる際には必ず「Thank you !」とニッコリ笑って挨拶し、ドライバーは「Good Day !」とこれまたニッコリ。あの心からのニッコリ笑いをなぜそんなにさりげなくできるのか、とても感心します。バスだけでなく、シアトルでは道路やスーパーでも人の前を横切るときやぶつかりそうになったとき必ず「Sorry !」「Excuse me !」とニッコリします。バスで隣に座るときもそうです。私もそれにならって隣に座るときに「Excuse me !」と声をかけるのですが、それに対して「ん、んー」とニッコリ反応してくれます。この「ん、んー」の表現むずかしいのですが、「ん」と言いながら鼻から息が抜ける感じで柔らかく発音し、二番目の「んー」はやさしさを込めて軽く尻上がりにストレスを置きます。ただし、なにしろ私のリスニング力なので、この「ん、んー」は実は何か言葉を言ってるのか、本当に単なる「ん、んー」なのか定かではありませんが、隣に座るきれいな金髪のお嬢さんにニッコリほほえまれながらこの「ん、んー」をかわいくやられた日には、何だか

「今日も一日がんばってシゴトしよう!」という勇気が理由もなく湧いてくるほどです。

再びドライバーの話ですが、ハスキーカードをうっかり忘れて、現金で支払おうとすると「にぃちゃん、今日はええで。乗りや。」って感じで乗せてくれますし、運転中のドライバーとずっと世間話をしながら笑いこけているオジサンがいたりします。この前など、バスが一度停留所を出たところで止まってしまい、後ろの車がつかえて渋滞しているのに、ドライバーは知らぬ顔。一体なにがあったのかと思いきや、バスに乗り遅れたおばあさんをそのままの状態で待っていたりします。そのおばあさんもずいぶん後ろから焦りもせずにゆっくり歩いてきて「Oh, Thank you !」といいながら乗ってくるわけですが、クラクションを鳴らす車もいなければ、文句を言う乗客もいません。そんなわけですからバスは時間通りに動くはずもなく、何のために時刻表があるのかわからないような運行状況になっています。

シアトルのバス車内の気持ちよさは「三丁目の夕日」のころの大阪の下町(あびこ商店街あたり)というやさしい雰囲気に包まれているような気がします。

上は大学構内の並木通りを抜けて颯爽と走るバス。下は私がいつも乗る大学のバス停。

車内はこんな感じ。前寄りの向かい合う座席が優先席です。窓に沿って渡してある黄色いコードのようなひもをグイっと力強く引っ張って次で下車する意思をドライバーに告げる仕組みになっています。

本稿は宮川研究室ゼミ生に向けて発信されたメッセージであり、ゼミ生の問題意識を喚起することを目的としたものです。         

本稿における観察及び意見は宮川壽夫の主観による個人的見解であって大阪市立大学の考えを代表するものではありません。

Hisao Miyagawa, 2015, All rights reserved

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