こんばんは!9期生の齋藤です。今回は僕の卒論のテーマをお話ししようと思います。
僕はファミリー企業の事業承継について研究しようと考えています。ファミリー企業とは、創業者ファミリーが経営権と一定数以上の株式を保有している企業形態のことを指します。ファミリー企業は、半世紀ほど前まで時代遅れの企業であると考えられてきましたが、近年複数の理論により、ファミリー企業ならではの優位性があることが明らかになり、非常に注目されています。
そのようなファミリー企業の経営者が最も関心を寄せる経営上のトピックが後継者の選別、つまり事業承継であると考えられています。やはりどれほど栄華を極めた企業であっても、能力のない後継者を選定してしまうと、たちまち競争力を失い、倒産してしまう確率が高まってしまうため、現職の経営者は後継者の選定に大きな労力をかけるのです。
一般的な企業における経営者交代では、内部昇進型と外部就任型の2種類の経営者交代が存在すると言われていますが、ファミリー企業においては、経営者が内から来るのか、それとも外から来るのか、ということは二次的な問題であり、それほど重要ではありません。ファミリー企業の経営者が事業承継に際してまず考慮することは、後継者をファミリー内から選ぶのか、それともファミリー外から選ぶのかということです。そのため、一般的な企業とファミリー企業とでは、経営者交代の際に働くインセンティブが異なっていると考えられます。
では、ファミリー企業ではどのように後継者が決まるのでしょうか?上述のように、ファミリー企業には一般的な企業にはない優位性があります。そのような優位性はファミリーが経営権を保有しているが故に発生するものなので、常識的に考えると、ファミリーの中から後継者を選ぶということが当然のように思えます。しかし、現実にはファミリーの外への経営者交代が少なからず発生しています。これは一体どうしてなのでしょうか?
そこで、僕は卒業論文において、一般的な企業とは異なる行動原理が働くファミリー企業における経営者交代は一体どのようにして発生するのか?というテーマに対して、「ファミリー企業においては、企業業績が良い時にファミリー間の系絵者交代が発生する」、という仮説を設定し、ロジスティック回帰分析を用いて実証的に明らかにしていこうと考えています。
進捗としては、永遠選考研究を読んでいたので、未だにデータの収集・分析といったところに手をつけられていないというのが現状です。ただ、ようやくテーマ・仮説・分析方法が定まってきたので、データの収集に取りかかることができるようになりました。当初考えていた行程に比べると1ヶ月程度遅れているという危機的な状況ですが、しっかり巻き返していこうと思います!