9期生の菅です。今回は私の卒論についてブログを書きます。私は「東証市場再編による企業の上場区分の変更が企業価値に与える影響」というテーマで現在卒論に取り組んでおり、今回のブログは東証再編とは何か、具体的にどのような研究をしているのか、といった内容になっています。
東証再編とは何か
2022年4月4日、東京証券取引所は、市場第一部・市場第二部・マザーズ・JASDAQ(スタンダード・グロース)という4つの市場区分から、プライム市場・スタンダード市場・グロース市場という3つの市場区分へと再編成しました。
この市場区分の再編は
1.各市場区分のコンセプトが曖昧であり、多くの投資者にとって利便性が低い
2.上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けが十分にできていない
という旧市場区分が抱えていた2つの課題を解決するために行われました。
そして、2021年9月1日から12月30日にかけて各上場会社は自社の判断によって新たな市場区分を選択することになりました。その際、選択先の市場区分の上場維持基準を充たしていない場合であっても、「上場維持基準の適合に向けた計画書」を提示することで、経過措置として希望した市場区分を選択することができました。
【表1】 A社の選択例
市場第一部→プライム市場 (基準未達)
→スタンダード市場 (適正) (筆者作成)
表1は、市場第一部に属するA社の市場区分の選択例になります。スタンダード市場が適正市場であるA社ですが、経過措置制度を利用してプライム市場への移行も可能です。したがって、A社は、「背伸び」をしたプライム市場、または「身の丈」に合ったスタンダード市場のどちらかを選択することになります。
私が行う研究
そこで私は、「背伸び」をした市場区分を選択した企業、「身の丈」に合った市場区分を選択した企業に注目し、これらの選択を投資家がどのように評価しているのかといった研究をしています。市場第一部から「背伸び」をしてプライム市場を選択した企業数は、295社、「身の丈」に合ったスタンダード市場を選択した企業数は338社になります。これらの企業をイベントが株価に与える影響を分析するイベントスタディを用いて研究しています。
私の今までの人生でも数々の選択場面があり、その都度、背伸びをした選択をするべきか、それとも身の丈に合った選択をするべきかよく悩みました。これからもその選択の際には悩むことになると思います。こうした正解のない人の問いに対し、今回、東証の市場区分再編における上場会社の新市場区分の選択とその評価を分析することで一つの解を出せると思うととてもワクワクしています。これからも楽しんで卒論に取り組んでいきます!
鳥海 直人
7期生の鳥海です。
ご無沙汰してます。
杉さんのFacebookからふらっと流れてきました。笑
東証再編、ホットでかつ科学的思考が凄く鍛えられそうなテーマですね‥。
・ガイドラインに書いている「多くの投資家」って何?
(本当は機関投資家の利益にしかならないのでは。個人投資家は好きな銘柄を単一で市場区分問わず買えるだろうし)
・税制優遇など、可視化できるメリットはない?意思表示だけ?本当に企業のためになる?
・利益構造の違いから、市場区分毎に産業は偏らない?産業全体にとって本当にいいこと?
疑問を持つ能力は自分でしか養えないので、日頃から悶々としているといいと思います。
というご高説垂れるおじさんになってしまいましたが、自戒も込めてコメントさせてもらいました。笑
OB面してゼミに近々顔でも出せたらなと思ってるので、今後ともよろしくお願いします!
菅政成 投稿者
鳥海さん、コメントありがとうございます。
卒論を通して科学的思考力をさらに鍛えます!
9期、10期ともに、OBの方のご来訪をとても楽しみにしていますので、ぜひお越し下さい!
今後ともよろしくお願い致します!
小坂陽兵(1期生)
よく思いついたね!
傾向あれば僕も知りたいです。
宮川壽夫
ようへい、コメントありがとう。
とても励みになります。
こうして10年以上も前に卒業した先輩がブログを見てコメントくれるなんて贅沢なゼミだと思います。
1期生のときに「オレ達がここにいることを大阪から世界へ情報発信しよう」と始めたブログでしたが、こうしてきちんと見てくれているんだなと改めてうれしく思います。
わずか一言でもあると現役学生はうれしいですね。
杉山聡一
東証市場再編による企業の上場区分の変更が企業価値に与える影響かぁ。企業価値の定義といえば3期生るみさんって流れが懐かしい(笑)さて、企業価値の定義とは…。