こんにちは。9期生の大野です。前回のゼミで輪講を担当しました。
なんと前回が今期の最後のゼミでした。ついこの間ゼミが始まったばかりのように感じていたので、時の流れの速さに驚きを隠せません。
今回の輪講では、第13章の「効率的市場と行動ファイナンス」を担当しました。
この章では主に効率的市場仮説について議論を行いました。効率的市場仮説とは、完全市場においては株価は全ての情報を織り込んでおり、株価は全てランダムに変化するという考え方です。効率的市場仮説には、過去の情報を織り込んでいるとする考え、公開されているすべての情報を織り込んでいるとする考え、文字通り全ての情報を織り込んでいるとする考えの3つがあります。
果たして株価は本当にすべての情報を織り込んでいるのか、それとも株価には情報が織り込まれていない、予測可能な余地があるのか。議論は非常に白熱し、様々な立場からの意見が出ました。やはり株価は全て、もしくはほとんどの情報を織り込んでいるのではないか。いやいや、株価には結構含まれていないんじゃないか。何が正解かはわかりませんが、ゼミ生みんながどのように考えて自分なりの意見に至ったのかを聞くことが出来、非常に刺激を受けました。
この議論の後の先生のお話が非常に印象に残っているので紹介します。
「全ての情報を含んでいるから株価はランダムに動く。そしてランダムに動くからこそ正規分布し、資本コストの計算が出来る」
私がコーポレートファイナンスを学ぶ中で感じていた面白さが、とにかく理論に一貫性のあることです。単体で見れば一見関係ないように見えても、教科書を読み進めていくと点と点が繋がり、線になるこの感覚が心地よく思えます。今回の効率的市場仮説でもまたそれを感じることが出来、さらにコーポレートファイナンスの面白さに気づくことが出来ました。
私はというと、思いついたことをどんどん発言していたせいで、後になると自分がどの立場に立っていたのか、そもそも仮説の前提はどのような状態だったのかなどがあやふやになってしまいました。やはり議論をしたり、思考をする上では、ベースとなる考え方・理論をきっちりと理解していることが重要だと再認識させられました。前期のゼミは今回が最後だったので、後期に再開するまでにもっと理論の理解度を上げていきたいと思います。
さて、話は変わりますが、日経新聞を読んでいるときに気になる記事を見つけました。要約すると、世界の株式投資において、パッシブ投資の割合が年々増加しているという記事です。記事内では、コストをかけて株価に情報を反映させるアクティブ投資が減ることで、市場の価格発見機能が下がる恐れがある、パッシブ投資は「フリーライダー」であると指摘されていました。
これについて効率的市場仮説の立場から見ると、より多くの投資家が、株価にはかなり高い割合で情報が織り込まれており、アクティブ運用ではやはり市場全体の収益率に勝てないと判断したのではないかと感じました。
とても面白い記事だったので、ぜひみんなと話し合いたいと思いました。次のゼミが楽しみです!
大橋由佳
前期おつかれさま!
前回は私も輪講を担当したから2章分はなかなかハードだったけど、頭使ってるな~って感じがゼミっぽくて好きだった(笑)
大野くんのゼミでの積極的な発言はぜひ見習いたいな。理論の理解という意味では夏休み中に企業価値の神秘を読み直したい!
日経新聞の記事については、パッシブ投資でも投資先や市場に何らかの影響は与えているだろうから、フリーライダーとまではいかないんじゃないかなと思った!
宮川壽夫
「パッシブ投資でも投資先や市場に何らかの影響は与えているだろう」(大橋)
パッシブ投資とはなんだろう?パッシブ投資が増えている本当の理由はなんだろう?市場ではなんらかの役割を果たしているのだろうか?それとも価格発見機能を低下させるに過ぎない邪悪なフリーライダーなのか?
大野、大橋、いいねえー!
二人ともいいポイント、ゴン攻めしてくるぜ~!おにヤベエ~!
後期が始まるのが今から楽しみだよ。
大野真也 投稿者
大橋さん、先生、コメントありがとうございます!返信遅くなりすみません!
このブログのコメントだけでもいろんな論点が出てきて、ファイナンスの奥深さを実感できました。それと同時に自分なりの意見がまだまだ持てていないことにも気づけたので、後期に向けて企業価値の神秘を読み直しておこうと思います!