Bill んチでバーベキュー

Bill んチでバーベキュー(No.10)

Bill と Nancy 夫妻のご自宅にお呼ばれしましてバーバキューをごちそうになりました。Bill は不動産屋の社長や地元の大地主などではなく、ごく普通のサラリーマンのはずなんですが、とにかくシアトルのフツーの人々の生活は豊かです。Bill の家にはサッカーのグラウンドとは言わないものの、バスケットコートなら二面は取れるほどの広い芝生の庭があり、Nancy が丹精を込めて育てる様々な花や木々が自慢のガーデンも美しい。うちの自宅近くの家もみんなそうですが、とにかく緑に囲まれた家と庭が常にきれいに手入れされています。大家の Pam さんも毎週月曜日はガーデニングの日と決めており、自分の庭だけではなく、自分の家が面する周りの歩道まで実にきれいに手入れをしています。手入れというのは掃除ではなく、あくまでガーデニングですから花を植えたり、伸びた枝を剪定したりとかなりの重労働と思います。ただ、そういう時間をゆっくりとるというのもシアトルの人々の豊かさだと感じます。

なにより時間の使い方に豊かさを感じます。だいたい Bill アニキ、今日は平日の金曜日だぜ、しかもまだ午後 2 時を過ぎたところだ、シゴトはどうなってんのよ。こんな時間にビール飲んで、葉巻ふかして、ノンキに肉焼いてていいのかよ?いやいや先週までは忙しかったのさ。なにしろ、そうだな一日 10 時間は働いちまったからな。ん?午後 2 時?って今日は金曜日じゃねーか。金曜日の午後にシゴトしてるヤツなんざ、よっぽどデキの悪いヤローだぜ。デキる男は金曜日の早い時間にシゴトとはおさらばさ!

うーん、ニッポンのサラリーマン、一度は言ってみたいセリフだなあ。サラリーマン時代、かなり自分勝手に過ごしたわたしでさえ朝の早くから夜の遅くまでしゃかりきになって働いてきて、いまだに小さな家のローンに苦しんどるっちうに。かっこよすぎるぜ、Bill アニキ!

豪快にステーキを焼く Bill アニキ。ちょっとデカすぎない?そのステーキ。そんな問いにはお構いなしの Bill アニキ。「ステーキはレアに決まってるさ、プロフェッサー。あんたに食わせる肉の焼き加減、オイラに任せときな!」って感じで、ビールがんがん飲みながら「焼きのポーズ」をおどけてとってくれるのでありました。

夫妻の愛猫。その名は Jake。帰るころにようやく私との友情が生まれました。

で、そんなカウボーイ的生き方がカッコイイ Bill アニキにほれ込み、義兄弟の盃を交わしてもらいました。もちろんスコッチで。

私が暖炉のスイッチをぶっ壊したときも、シャワーが水漏れしたときも、トイレがつまったときも、Bill はどこからともなく現れて、文句も言わずに直して帰っていきます。

「Bill、あんた、一体なにものなんだ?」

「オレかい?決まってるじゃないか、カウボーイさ、プロフェッサー!」

Bill と Nancy の笑顔からも想像できる通り、とことん親切でやさしい彼らの心の豊かさにも感動した一日なのでありました。

本稿は宮川研究室ゼミ生に向けて発信されたメッセージであり、ゼミ生の問題意識を喚起することを目的としたものです。         

本稿における観察及び意見は宮川壽夫の主観による個人的見解であって大阪市立大学の考えを代表するものではありません。

Hisao Miyagawa, 2015, All rights reserved

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